とりあえず、やってみる。

思いがまとまらなくても、まずは文章を打ってみる。

理想に当てはめることに、こだわりすぎない。

今まで僕は、音楽も服も人も仕事も自分の理想に当てはまるものばかり探していた。人間にとっては理想を追求することが大事で、実現させなければ意味がないとさえ考えていた。確かに自分の理想に当てはまるものに出会えたこともあったが、現実には自分の理想が全部当てはまらないことが圧倒的だった。そうやって理想をなかなか実現できないことで、フラストレーションを溜めてしまうことも多かった。

 

その一方で自分が好きなものは、偶然出会ったものが多かったように思う。たまたまラジオで流れていた音楽がきっかけだったものも多かったし、今でも連絡を取り合える人とは、偶然住んでいるところが同じだったり、たまたま何かの集まりで一緒だったりしたことがきっかけだったことが多かった。そして、そういう時ほど自分の理想に当てはまるものを探していなかったような気がする。

 

今までの僕は自分の理想にこだわりすぎていたのだろう。自分の理想に当てはまるものを探してばかりいることで、知らず知らずのうちに視野が狭くなっていたと思う。だから、自分の理想に当てはまるものを探すばかりでなく、自分の理想に当てはまっていなくてもまずは取り入れてみることも必要なのかもしれない。そうすることで、自分の視野が広くなって、自分の理想に当てはめようとすることも少なくなるのかもしれない。

 

だからと言って理想が全く必要ないとまでは思わない。もし自分の理想が無かったら、自分はどうしたいのかが分からなくなって混乱してしまうと思うからだ。だから、理想を持つこと自体は悪いことではないと思う。ただ、自分の理想に振り回されないためにも、理想というのは「現時点での自分の望みを把握するためのもの」として、捉えたほうがいいのかもしれない。

 

心から喜べたり楽しめたりしている時というのは、理想に当てはまったかどうかなんてほとんど気にしていないような気がする。だから、心から嬉しさや楽しさを感じているかどうかがまずは大切なのだろう。理想というのは喜びや楽しみを感じるための手段であって、目的にすり替わらないように注意しておく必要があると思う。そうすれば、目の前にある喜びや楽しみを素直に感じることができるような気がするのだ。