読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

とりあえず、やってみる。

思いがまとまらなくても、まずは文章を打ってみる。

同級生が持ってきてくれたカレンダー

先日、出かけようとして車に乗ったときのことだ。ちょうどその時、一人の男性が何か小さなものを持って、自分の家の玄関へと向かった。たまたま母が玄関の前にいて応対をしてくれたが、すぐさま僕の名前を呼んで「彼、〇〇君よ!」と言った。なんとその男性というのは、中学校の同級生だったのだ。僕は嬉しさのあまり笑顔で彼に呼びかけた。でも、彼は少し戸惑い気味だった。それもそのはずだろう。中学卒業以来会っていない人に突然会ってしまったのだから。

 

彼は今、印刷屋で父親と一緒にやっている。そして、父の仕事関連のはがきはその印刷屋さんに頼んでいる。つまり、彼は年末のあいさつで家に来てくれたのだ。僕は母から彼が父親と一緒やっていることを聞いていたから、もしかしたらそのうちに何かの拍子で会うかもしれないなとも思っていた。

 

彼は中学時代、明るく穏やかな性格だった。中三の時、彼と同じ委員会だったので、彼と一緒に放課後のクラス巡回をすることがあった。その頃から二人一組で行動することが苦手だったのに、不思議なことに彼とはうまくやることができた。会話もよくしたし、一緒にいても息苦しさを感じることもなかった。久々に彼と出会った時に僕が笑顔で呼びかけることができたのも、こうしたいい印象があったからだと思う。

 

年末のあいさつに彼が持ってきてくれたのは、はがきサイズのカレンダーだった。用事を済ませて家に戻ったら、母が「何個かもらったから、あなたもどう?」と言ってくれたので一個もらうことにした。小さなカレンダーが欲しいと思っていたところだったので、ちょうどいいタイミングだった。そして、このカレンダーを手にとった瞬間、このカレンダーは大切に使おうと思いが湧き上がってきた。

 

実は、彼は二十代の時にバイク事故に遭い、それがきっかけで精神的に荒れてしまったときがある。しかし、そこから立ち直って、今では親の仕事を引き継いで元気にやっている。そのもらったカレンダーが見る度に、彼もいろいろな問題にぶつかりながら精一杯やっているんだなと思ってしまう。それと同時に、彼もうまくいかないときを経験して精一杯やっているのだから、僕もちょっとうまくいかないからといって投げやりになってはいけないということを思い起こさせてくれる。だからこそ、彼のためにもこのカレンダーを一年間大切に使いたいと強く思ったのだ。