とりあえず、やってみる。

思いがまとまらなくても、まずは文章を打ってみる。

嫌な気持ちを抱えたまま、始めてみる。

面倒なことや嫌なことというのは、やる気がなかなか出ないものだ。だから、どうしたらやる気を出せるのかと考えてしまうことが多い。確かに嫌な気持ちが無くなればやる気は出てくるものかもしれない。でも、嫌な気持ちを消そうとしたりやる気を出そうとしたりすることにあまりこだわらなくてもいいのかもしれないと、最近は思っている。

 

物事を前向きな気持ちで取り組むのと嫌々取り組むのでは、集中力やエネルギーの費やし方も変わってくるから、かける時間や結果も大きく違ってくることが多い。だから「物事は前向きな気持ちで取り組め。決して嫌々やるな」ということをよく耳にするのだと思う。そして、前向きな気持ちで取り組めば周囲は称賛し、嫌々取り組めば周囲は厳しい目が向けていることが多いように感じてしまう。

 

そんなこともあって、今まで僕は「物事は前向きに取り組まなければならない」という思いにとらわれてしまっていた。だから、嫌々やるのならやらないほうがマシとさえ思っていた。でも考えてみたら、前向きな気持ちで取り組めない自分を責めることは、苦しんでいる自分をさらに苦しめていただけにしかならなかったと思う。それでは、やり始めることからはどんどん遠ざかっていくだけだろう。

 

そうやって無理に嫌な思いを消そうとするよりは、逆にやる気の出ない状況を認めて気持ちを楽にさせてもいいのかもしれない。「やる気を持ってやる」という条件を外すことで心の負担を軽くしてあげるのだ。そうすれば、やり始めることだけに意識が集中できるようになって、気持ちは乗らなくても実際に始めることができるのではないかと思うのだ。

 

どうしても面倒なことや嫌なことをやらなければいけない場合には、嫌な気持ちを消してやる気を出そうと考えずに、とにかくやることだけに意識を集中してみることも一つのやり方かもしれない。前向きな気持ちであろうと嫌々やろうとやり始めれば、時間はかかっても確実に完了に近づいていく。そして無事完了してしまえば、その前の気持ちなんてきれいに忘れてしまうものなのだ。