とりあえず、やってみる。

思いがまとまらなくても、まずは文章を打ってみる。

不安があるなら、正直に口にしてもいいと思う。

新しく何かを始めたり誰かと会ったりする時は、期待がある一方で不安も少なからずあると思う。僕はそんな時は、期待よりも不安のほうが強くなってしまうタイプだった。そして、その不安で一杯な気持ちというのは、表情や態度に出てしまうことが多かった。そのため、よく人から「なんでそんなにおどおどしているの?」とか「もっと堂々としろ!」と言われることが多かった。

 

そんな言葉を何度も言われたから、不安な気持ちを消そうとしてみたり、自分に対して堂々としろと言い聞かせたりもしてみた。確かにそれで一時的には改善した。しかし、結局は不安で一杯なために、自信もなくおどおどしている自分に戻ってしまっていた。そのうちに「おどおどしている」とか「堂々としろ」とまた言われるのが嫌で、いつの間にか新しいことや新しい出会いを拒絶してしまうようになっていた。

 

でも、初めて何かをやったり誰かと会ったりする時というのは、見えないことも多いのだから不安があっても仕方のないことではないだろうか。それに新しいことに踏み出したからといって、必ずしもいい結果を得られたり自分が成長できるとは限らない。下手をしたら「こんなことやらなきゃよかった」なんてことにもなりかねない。確かに、新しく何かをしないと進歩しないものかもしれないが、それによって失うものも出てくる可能性だってあるのだ。

 

それにも関わらず、今まで僕はそんな不安を力づくで消そうとしていた。もっと言えば、不安な自分を相手に悟られるのが嫌だったから、不安もなく堂々としている自分を無理やりに目指そうとしていた。でも、不安になるというのは、紛れもなく自分の本心だ。そして、その自分の本心を否定しているうちは、不安を否定することにエネルギーを費やしてしまって、新しいことや新たに出会う人たちとうまくやっていこうとするところまでエネルギーが回らないのではないだろうか。

 

もしかしたら、正直に不安な気持ちを口すれば、時には「何でそんなに不安なのよ」と笑われてしまうことだってあるかもしれない。でも、そんなことを口にする人とは結局うまくいかないのではないかと最近は思う。なぜなら、そういった言葉を口にする時点で相手は僕のことを軽くみているだろうし、僕も言ったことを軽々と否定する相手に信頼を持ちたくないからだ。相手を信頼していなくて、どうして物事がうまく進むのだろうか?

 

だから、不安だったら不安だと正直に口にしてもいいのではないだろうか。もっと言えば何に対してどう不安なのか具体的に言えればいいと思う。そうすれば相手も自分の状態が見えてくるから、何らかの対処をしてくれるのかもしれない。もしかしら「そうなっても何とかなるよ」とか「自分も初めはそんな不安があったよ」という言葉が返ってくるかもしれない。その言葉で自分の気持ちが楽になるし、何より相手が自分の気持ちを受け止めてくれたことで、相手に対する信頼も生まれるのではないだろうか。

 

自分の不安を相手が受け止めてくれることで、自分の気持ちは楽になれる。しかしそれ以上に、決してポジティブではない気持ちを正直に吐き出せたこと自体が、自分の気持ちを楽にさせてくれるのではないかと思うのだ。そして、そうやって不安な気持ちを消化して初めて、新しいことや新しい出会いに対して前向きになれるのだと思う。