とりあえず、やってみる。

思いがまとまらなくても、まずは文章を打ってみる。

1回に1つのボールを投げて、相手も自分も楽にする。

会話というのは、キャッチボールに例えられることが多い。どちらかが言葉を一方的に投げ続けたり、相手が受け止められないような言葉を投げたりしていれば、いい会話はできないはずだ。そして、キャッチボールでもう一つ大切なのは、1回に1つのボールを投げることだと思う。いくらボールを捕るのがうまい人でも、一度に2つも3つもボールを投げられてしまったら、全部のボールを捕ることは難しいに違いない。

 

さて、今まで僕は会話においてボールを一度に2つ3つ投げてしまうことが多かった。というのも、自分が多く話せばそれだけ相手も多く情報を得ることができるに違いないと思い込んでいたからだった。むしろ、1つのボールでは少ないかもしれないとさえ思っていた。そのため、自分が話す番になった時には必要以上の説明や複数のことを話してしまうことも多かった。

 

でも最近になって、これだけたくさんのことを話されたら、相手は理解することが大変かもしれないということに気づいた。だから、一度にたくさんのボールを投げるのではなくて、相手が捕れる体勢になったのを確認しながらボールを投げることが大切だと思えてきた。そうすれば、相手に落ち着きや余裕がある分だけ、自分が投げたボールをしっかり捕ってもらえるように思えるのだ。

 

それからは、相手と話す時には一回に一つのことだけ話すことを心がけている。まだ日が浅いこともあって、相手の反応の変化までは感じ取れていない。でも、そうすることで自分は楽になれたような気がする。一度に多くのことを話そうとするほど、落ちがないかとか間違いがないかということを気にするようになって、自分に負担がかかってしまうものなのかもしれない。

 

そして、1回に1つのボールを投げることは、会話以外でも大切なことだと思う。1度に2つ3つのことを片付けようとしないで、1つを確実に片づけていく。そのほうが、集中力やエネルギーが散漫にならないので、ミスや二度手間も減っていきやすいと思う。もし相手がいることであれば、その相手を振り回してしまうこともないだろう。そう考えると、1回に1つのボールを投げることは、相手も自分も楽にさせる効果があるのかもしれない。