読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

とりあえず、やってみる。

思いがまとまらなくても、まずは文章を打ってみる。

今でも印象に残っている、温厚な先生の怒り。

社会人になって10年以上経っても、今でも忘れられない先生が一人いる。それは、僕が中学2・3年の時に学年副主任だったH先生だ。H先生は声を荒げたことを見たことがないくらい温厚な人柄だった。でも、先生の中でも目立たないほうだったこともあって、生徒から人気集めることも目の敵にされることもなかった。それもあって、当時の僕のH先生の印象は、好きでもないけど嫌いでもない先生だった。

 

そんなH先生が一度だけ怒りをあらわにしたことがあった。それは、中学3年の時の生徒集会のことだった。当時の3年生は、先生たちが厳しい目を向けることが多かったくらい、たるんでいるような感じになっていた。生徒集会が始まり校歌斉唱になったが、3年生の歌声は小さかった。そして、1番を歌い終えた時、生徒の後ろにいたH先生が突然叫んだ。「3年生、声が小さい!」

 

僕はH先生の声を聞いてびっくりした。なぜなら、このよう状況でH先生が声をあげるとは思わなかったからだ。それでも、相変わらず3年生の歌声は小さかった。すると、校歌の途中にも関わらず生徒の前まで出てきて、「やめろ。もう一度やりなおせ」と言ったのだ。その時のH先生の声は怒号ではなかった。しかし、口調や表情からは、怒りがはっきりと見えていた。

 

実は、その後のどうなったか覚えていない。H先生がとった行動の印象があまりにも強かったからだ。そして、自分の意志だけで言うべきことをしっかり言ったH先生の姿勢に、僕は一人で感動していた。普段は表立った行動をしないH先生が、自分の判断だけで生徒を叱ったのだ。もしかしたら、それだけ生徒のことを真剣に見ていたからこそ我慢できなかったのかもしれない。

 

中学卒業後、H先生とは会ったことは無く、今はどうしているかもわからない。もしかしたら、こうした怒ったこともH先生は覚えていないかもしれない。でも、あれから長い年月が経っても、僕はH先生の行動をいまだに覚えている。なぜなら、あの時のH先生からは、必要だと感じたら周囲を気にすることなく行動を起こすことの大切さを教えてくれたと思っているからだ。

 

今週のお題「思い出の先生」